平成22年度松竹特別公演 清&直美 (和光市民文化センターサンアゼリア)


9月1日(水)に、和光市民文化センター(サンアゼリア)大ホールで、

平成22年度松竹特別公演 清&直美

を観劇。

演目は、お芝居の「気になる二人〜持ちつ持たれつ〜」(佐々木渚 作、齋藤雅文 演出)と、前川清藤山直美による歌謡ショー「二人のオンステージ」


藤山直美前川清を相手役に迎えての松竹の巡業で、7月15日に九州・長崎からスタートし、9月15日の北海道・札幌まで、まる2か月、全国42会場を回る。巡演期間のうち、公演のある日が51日で、そのほとんどで1日2回公演が組まれており、チラシに載っている公演日程を見ただけで、眩暈がしそうなハードなスケジュールである。

ついでに書けば、「気になる二人〜持ちつ持たれつ〜」と前川清藤山直美のショーからなる「清&直美」の公演は、この巡業のあと、10月は「全国縦断公演凱旋記念」と銘打って大阪松竹座で、11月は「御園座錦秋特別公演」として名古屋・御園座で、そして12月は「新橋演舞場師走特別公演」として東京でと、大劇場での1か月公演も3都市・3か月続く。


さて、今回足を運んだのは、和光市民文化センター サンアゼリアで、この会場は(私は)初見参。10月に「童謡詩劇 うずら」(→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20100816/p1)を上演する大ホールである。

私が見たのは昼の部だけだが、ホールの様子では、この日の「清&直美」では、客席は、1階席と、2階席のうちの左右前方のブロック(RAブロック、LAブロック)のみの使用で、それ以外の2階座席は封鎖されていた。


昼の部は、午後1時開演で、終演予定は3時50分。

「気になる二人〜持ちつ持たれつ〜」一幕 40分
 休憩 10分
「気になる二人〜持ちつ持たれつ〜」二幕 50分
 休憩 20分
「二人のオンステージ」50分


公演プログラム、1000円。

「気になる二人〜持ちつ持たれつ〜」に出演の子役は、

良太の息子 剛: 山崎光一


竹村良太(前川清)の息子役で、シングル。子役としては、もうけっこう大きい。竹村良太こと幻の覆面歌手・岬光太郎には3人子どもがいるのだが、長女・君子は子役ではなく、末っ子は赤ん坊で人形。

山崎光一くんといえば、藤山直美公演だと「妻をめとらば 晶子と鉄幹」に、歌舞伎の子役としては大阪松竹座の「勧進帳」で太刀持もやっていた。


「気になる二人〜持ちつ持たれつ〜」は、戦後、昭和20年代の大阪を舞台に、国民的スター・椿リン子(藤山)と、ひょんなことからリン子のマネージャーになった子持ちの男やもめ・竹村良太(前川)のラブコメディ。

マネージャー男の正体がじつは幻の覆面歌手だったというのがミソではあるが、新作とはいえ旧いタイプの作風に、私は見ていて余り乗れなかった。また、このホールは音が響き過ぎて、役者のセリフが聴き取りづらく、それも災いした。(前川清のうたを聴いているときは気にならなかったから、残響時間が音楽用につくられているのだろう)

この巡業では、椿リン子のひと役だけだが、プログラムを見ると、大阪松竹座御園座新橋演舞場では椿リン子と通天閣のマリーの二役を藤山直美が演じるようだ。椿リン子と通天閣のマリーは、同じシーンに出演したり、セリフのやり取りもある役なので、二役となると、早替わりなども見せ場のひとつになるのだろうか?


この公演の面白さは、お芝居よりも、むしろ歌謡ショーの「二人のオンステージ」のほうだ。「二人のオンステージ」は、基本的には前川清ショーで、そこにゲスト的に藤山直美が参加する構成で、前川のうたで舞踊を披露したり、ふたりのトークがあったり、最後は清&直美のデュエットで締め括る。

前川清のしゃべりがやたらと面白くて、もうびっくり!うたの真面目さとは好対照のトークは、ペラペラしゃべって、いうことがとにかく可笑しいし、自虐ネタも多くて、すごーい。このひとのショーって、こんなに面白いのかと、それがとにかく、今回の観劇での発見だった。
なかでも、ロビーで販売しているグッズの紹介、というか宣伝トークの面白さは、格別だった。


師走の新橋演舞場に行くかは子役次第なのだけれど、「清&直美のグランドショウ」(新橋演舞場公演でのショーのタイトル)は楽しめそうだし、椿リン子と通天閣のマリーの二役をどう演じるのかも、ちょっと興味のあるところ。