専業主婦のヒロイン


8月20日(金)付の朝日新聞夕刊文化面に、近年の連続テレビ小説としては好視聴率の「ゲゲゲの女房」について、その人気の要因のひとつとしてヒロインが専業主婦であることを挙げ、背景に男女の役割りが固定化していた時代への懐古=昭和ブームがあると指摘する署名記事が載っていた。朝ドラとしてはめずらしい「専業主婦」のヒロインに注目した切り口が面白い。

具体的には言及していないが、最近、一部の若い女性たちの間で広まっているとされる専業主婦願望や、それにともない専業主婦のステイタスが高まっているという昨今の時代状況をも視野に入れた記事と読める。




いまの日本は、就職したくても仕事がない、あったとしても希望する職種や条件には程遠い、就職したらしたでパワハラやセクハラ、クビ切りのプレッシャーに晒され続ける、非正規雇用ではワーキングプア。そんなにまでして就職活動をしたり、あくせく働くよりも、収入の安定した配偶者をつかまえて専業主婦になるほうがいい。働きたくない、楽がしたい。

経済状況の変化があったとはいえ、21世紀に、若い女性自らが社会進出よりも専業主婦に高い価値を置く時代が訪れるというのは、男女雇用機会均等法の成立や女性学ブームが兆した頃に学生だった身からすると、隔世の感である。女子高生の将来の志望が専業主婦、などという近頃の話には、時代が逆行したみたいで、なんだかなぁ…、と思ってしまう。

ゲゲゲの女房」のヒロインは、結婚当初は貧乏暮らしだったが、夫はマンガ家として成功するのだから、家事手伝い→専業主婦としての成功譚、として見ることが出来るドラマだろう。


私は、学生の頃、女性は結婚して主婦になるという選択肢があるから、いいよな、と思っていたし、男子大学はないのに女子大があるのはずるい、とも思っていた。就職については、女には総合職と一般職があるのに、男には一般職採用がないのは不公平だと思っていた。
あるとき、主夫になって3食昼寝付きが理想だといったら、当時は主夫なんてまだ一般的ではなかったから、それはヒモだな、といわれ、そうか、ヒモか!ヒモになればいいのか。で、さっそく、ヒモについて学ぼうと、まずは、つかこうへいの「ストリッパー物語」を買って読んだら、読んでいるうちに莫迦々々しくなり、とてもヒモにはなれねぇや、と(笑)。