ユキとニナ
先日のこと、恵比寿ガーデンシネマにて、
「ユキとニナ」(諏訪敦彦、イポリット・ジラルド 共同監督)
http://www.bitters.co.jp/yukinina/
を見た。
日曜日だったので混んでいるかと思って恐るおそる行ったのだが、全く空いていた。
パンフレットは600円で売っていたが、
たとえば、シネマトピックスオンラインなどの映画紹介ページ
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=9882
に、キャストは出ているので、買わなかった。
子役は↓である。
ユキ: ノエ・サンピ
ニナ: アリエル・ムーテル
日本の少女たち: 今泉野乃香、新井亜莉沙、マオ・サンピ
日本の友だち: 大森百香
日本の子役は、すでに以前から出演情報があった今泉野乃香のほかに、新井亜莉沙、大森百香と、それなりに芸歴のある子が出演している。
パンフレットは立ち読みしただけだが、キャストに「新井亜莉砂」とあったのは、誤植だろう。マオ・サンピは主演のノエ・サンピの妹だろうか。
パリに住む9歳の女の子ユキと、友だちのニナ。フランス人の父と日本人の母を持つユキは、両親が離婚の危機にある。母親は、ユキを連れて日本へ帰るつもりで準備を進めるが、彼女はその現実に納得出来ずに、戸惑う。やはり両親が離婚し、母親と暮らしている仲良しのニナに誘われ、ある日、ふたりは連れ立って家出を決行。家出先は(すでに別の女性と暮らしている)二ナの父親の留守宅だったが、隣家の夫人に見つかりそうになり、ふたりは森のなかをさまよう。
森でニナと離れたユキが、独歩して深い森を抜けると、なぜかそこには日本の田舎の風景が広がっていて、ユキは日本の女の子たち(今泉野乃香、新井亜莉沙)から誘われるままに、いっしょに遊ぶ。このシーンは、ユキがパリを離れて日本へ行くという状況を受け容れたことを表す心象なのだろう。ドキュメンタリーっぽい演出のなかにファンタジックな展開が挿入される意外性が面白かったが、家出という現実の収め方の中途半端さなど、ちぐはぐなところもある。
(どうせなら、探しに来た父親とのシーンなどは省いてしまって、そのまま、転居後の日本へ場面を移してしまえばよかったのに)
冒頭にユキとニナがおしゃべりに興じながら歩くシーンを置き、終わり近くでも日本に引っ越したユキが日本の友だち(大森百香)といっしょのシーンを似たようなカメラワークで撮っていて、この対照がおもしろい。とはいえ、手持ちカメラ(?)で撮った画は、あまり好きになれない。