札幌こどもミュージカル「ひとつのおわんでトゥミクミク」(新国立劇場中劇場)


10月7日(水)に、新国立劇場 中劇場で、

札幌こどもミュージカル育成会

アイヌ文化オペレッタ「ひとつのおわんでトゥミ

を見た。

 過去ログで取り上げた、この(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090922/p1)公演である。

前日の10月6日(火)には、同じ会場で、アイヌ文化オペレッタ「ポロリンタン」が上演されており、この日は2日目で、前日とは別演目の「ひとつのおわんでトゥミ」が上演された。


午後7時開演。上演時間、1時間。プログラムは、入場の際に無料配付(表紙込み8ページ)。

札幌こどもミュージカル育成会の子ども出演者、37名。他に大人の賛助出演あり。

舞台下手端、幕前で主宰者が電子オルガンで生演奏。


関係、招待など多数のようで、背広組も目立ち、取材のカメラマンもたくさんいて、なんだかものものしい雰囲気。何事かと思っていると、やんごとなき皇后御来場にて、お座席は、1階11列中央。

先日の読売新聞での主宰者紹介で、2演目のうち、2日目の「ひとつのおわんでトゥミ」のほうがピックアップされていた裏には、こういう理由もあったという訳だ。監修が元NHK会長なので、そのあたりの尽力もあるのだろうか?

けっこう子ども連れが見に来ていると思ったら、終演後に、某小学校や子ども会との交流会があるとアナウンスされていた。


「ひとつのおわんでトゥミ
(作詞・作曲・台本・指導・演奏:細川眞理子、演出・振付・デザイン・歌指導:岩城節子、総合監修:川口幹夫、資料提供・アイヌ文化指導:萱野茂)

は、こんなお話だ。

アイヌの夫婦に飼われた子犬・アネトバは、鹿狩りが上手でとても可愛がられていたが、その家に3匹の大犬が棲みつくと、アネトバは手柄や食餌を横取りされるなど、彼らからひどくいじめられる。やがて、すっかり弱ったアネトバはついに家を出るが、行き倒れてしまう。瀕死のところをアイヌの若者イソンクルに助けられ、回復したアネトバは、じつは神様の子だったことが分かり、人間の娘となって、助けてくれた若者と結ばれる。村人たちの祝福のなか、娘アネトバが炊いたごはんをイソンクルとふたりで半分ずつ食べるという結婚式となっての大団円。


タイトルにもなっている「トゥミ」は、物語の間で繰り返されるつなぎ言葉だそうで、舞台では、文字書きの「トゥミ」というより、「トゥーミッミッ」といった感じで発音されていた。(「さて、それから」みたいなニュアンスなのだろうか?)


オペレッタとあるように、うたを中心にシーンをつないで行く形式は、一般的なミュージカルとはちがい、たとえば児童合唱団が行なうミュージカルに近いかたちといえる。そういう意味でのおもしろさとともに、アイヌの昔話の一端を垣間見ることが出来る。


子犬アネトバが狩りで鹿を捕まえるところが、かわいかったな。娘アネトバの女の子の高い声が、きれいだった。


「フロイデ!私の合唱ブログ」というブログに稽古の様子が出ている。
http://ch09559.kitaguni.tv/

子犬アネトバ。↓
http://ch09559.kitaguni.tv/e1380328.html

読売新聞北海道版の記事(札幌こどもミュージカル 皇后さまも拍手)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20091008-OYT8T00072.htm