幸せ最高ありがとうマジで!(PARCO劇場)


11月6日(木)に、PARCO劇場で、

幸せ最高ありがとうマジで!」(作・演出:本谷有希子)

を見た。

2時開演。上演時間2時間、休憩なし。

プログラム、1500円。ポスター、500円。(どちらも買わなかった)

「SISTERS」(これ。→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20080719/p2)がDVDとして発売されるというから、お金を使うなら、そっちにしようという思惑も芽生えていた。


本谷有希子作の芝居をいちど見てみたいと思っていて、今般、足を運んだ。が、これは、私が期待したものとはちがった。

イカレタ女が、小さな新聞販売店を営む一家の前に現れて、家族と住み込み店員それぞれが抱える秘密を暴き出し、その小市民的欺瞞で取り繕われた生活を破壊して痛快に去って行く…といったストーリーなら面白かっただろうに、むしろ、舞台は日常の揺るがなさのほうを強調する結末で、もの足りない。

おかしな女の闖入でひと騒ぎ起きても、夕刊が届いた途端に、一家と従業員は何事もなかったように日常業務に戻り、女は取り残される。そこに、いまを生きることの絶望や閉塞があるが、しかし、それでは、一部の評論家や、サブカルチャー批評がいっていることの後追いにとどまってしまう。一家の日常を壊滅に追い込むことで、その先に踏み込んで欲しかった。