新潟港開港140周年記念「井伊直弼の能・狂言」


7月5日(土)14時〜りゅーとぴあ能楽堂で、

りゅーとぴあ開館10周年記念
新潟港開港140周年記念
井伊直弼の能・狂言

 狂言「鬼ヶ宿」(大蔵流)
 能「筑摩江」(喜多流)


が開催される。
http://www.ryutopia.or.jp/schedule/08/0705n.html
http://www.ryutopia.or.jp/

井伊直弼の能好みは、けっこう有名ですよね。能楽との関係でいえば、井伊大老のお孫さんのほうがよく知られていますが。野上弥生子の「迷路」にも登場しますし。




井伊直弼といえば、しばらく前に、

野口武彦「幕末バトル・ロワイヤル 井伊直弼の首」(新潮新書)

を読んだ。週刊誌に連載中の歴史読み物で、そのなかから、安政年間の分を新書としてまとめたもの。阿部正弘を彼の外見まで含めて高く評価する一方、井伊直弼のことは愚物、凡人の扱いだから、かつて「花の生涯」に感化された私には首肯出来ない部分もあるが、総じて面白い。

水戸と彦根の対立を地震被害の大小と絡めて説き起こしたり、開国派と攘夷派が主導権争いに利用しようとして賄賂を贈るなどしたことが公家たちの政治感覚を目醒めさせ朝廷に力を持たせてしまったというあたりや、金の流出、御金蔵破りの項は殊に面白く読んだ。


桜田門外の変は、水戸浪士らによる大老暗殺事件なのだけれど、この襲撃で井伊大老はただ討(撃)たれただけでなく首を落とされ、それを持ち去られている。子どもの頃(といっても10代後半でしたが)、これを知ったときはとても驚いた。ショッキングで。
首を討った有村次左衛門も彦根藩士に斬られていたため、途中で力尽き、大老の首は彦根藩邸に戻ることになるが、もし首が持ち去られたままだったらどうなったのだろうと思った。

なお、今年の大河ドラマ篤姫」では、井伊直弼役は中村梅雀。いいキャスティングである。