放浪記(シアタークリエ) 1月31日


1月31日(木)は、シアタークリエで「放浪記」を見た。初日1月24日に続いて、シアタークリエで3度目の観劇。

午後1時開演。

1月31日の行商人の子役は、今津凪沙さんの出演。


この日は、座長さんのセリフが不安定だった。第ニ幕の女給部屋の場でセリフに詰まったり、第四幕の出版記念会でもセリフが出ないところがあったが、藤山武士が続けたので、そこはセリフが出ないというより間をとっていたようにも見えたかも知れない。第五幕では、日夏京子とのやり取りで、「上野山さん」を「村野さん」といいかけて、いい直した。
カフェーの場のマッチも不調だったのか、結局、火が点かなかったし、芙美子が「つまみ」を自分の口に投げ入れるのも失敗ありなど。

(それにしても、2005年3月芸術座の「放浪記」のビデオを見ると、たとえば、カフェー寿楽でのどじょうすくいは、今回公演の倍速といっていいくらいに動いている)


次の「放浪記」観劇は、2月19日と半月以上先になるので、今回公演での高畑淳子さんの日夏京子役はこの日で見納め。上手いだけでなく、いま売れているひとらしい華もあって、見惚れた。このひとで、もっと見たかったと思う。


劇場へ行く前に、寄り道して、小幡欣治「評伝 菊田一夫」(岩波書店)を買った。読んだのはこの日の観劇後のことだが、「放浪記」第五幕で劇中の菊田一夫がしゃべるセリフというのは、これは単なる芝居のセリフでないのだ、と納得。第五幕の落合の家の場の見ごたえは格別だが、それは、この芝居に実名で登場する林芙美子菊田一夫、ふたりの言葉から、芝居のシーンを超えた作家の真実が見えるからでもあろう。

・・・「ぶた箱」(留置場)に入ったことも、本当にあったのだね。