女優


昨日、高崎線で往復の車中で、

筒井ともみ「女優」(文春文庫、533円税別)

を読んだ。

親本は、同社から1998年10月に出ている。

著者の筒井ともみ氏は、「もうひとつの心臓」などのドラマや、映画でも知られるシナリオライターだが、エッセイも書いていて、その1冊を読んだのがきっかけで著者の伯母が女優(赤木蘭子)だったと知り、それ以来、この「女優」を読んでみたいと思っていたが、今般、文庫として刊行されたのである。

もっと自伝的な作品なのかと想像していたが、そう思わせる設定で書かれたスリリングなフィクションだ。面白く読んだが、著者の伯母の実像や女優としてのイメージがこの小説にどの程度まで投影されているのかが、私にはよく分からなくて、もどかしい。