芝居の神様 島田正吾・新国劇一代


今年は、柳生十兵衛生誕400年記念、だったらしい。

柳生十兵衛を演じた俳優といって第一に浮かぶのが、若林豪。ひとによっては、近衛十四郎だったり、千葉真一だったり、最近なら村上弘明かも知れないが、私には、かつてのテレビ時代劇の「徳川三国志」や「江戸を斬る」での若林豪が、十兵衛役者の随一だ。どちらも、視聴は再放送でのことだったが、子ども心のあこがれは強く、十兵衛といえばこのひとだ。

その後、テレビ東京の12時間ドラマで「柳生武芸帳 (風雲 柳生武芸帳)」が放送されたときは、北大路欣也の十兵衛に、若林豪山田浮月斎で、これはいいキャスティングだった。

若林豪といえば、新国劇では緒形拳の次のスター候補とされたひとだが、師は島田正吾


その島田正吾の伝記小説、

吉川潮「芝居の神様 島田正吾新国劇一代」(新潮社、1900円税別)

が上梓された。

先日、八王子に「くるみ割り人形」を見に行ったときに買って、ちょうどいま読んでいる途中なのだが(まだ読みはじめたばかりで、緒形拳若林豪も登場はこれから)、澤田正二郎島田正吾は、年が13しか離れていなかったのだねぇ。島田正吾辰巳柳太郎は同い年だったのか、と。なんとなく、島田のほうが年上のように思い込んでいた。

島田正吾を書いたものだが、それは同時に新国劇の歴史がえがかれてもいる訳で、若林豪の退団には、フジテレビとの提携とその解消という経緯が絡んでもいたようだ。


・・・さて、先を読み進めよう。