「川田正子メモリアルコンサート2/森の木児童合唱団第28回コンサート」を鑑賞


8月19日(日)は、西新井での観劇(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070820/p2)後、予定通りに東京オペラシティへ。

途中、神保町で、本など買い物。むかしは、三省堂書泉グランデでよく本を買ったものだが、近年は、東京堂書店の利用が多い。

とにかく暑い日で、神保町から初台までタクシーを使おうかと思ったが、都営新宿線京王新線へも乗り入れていることを思い出して、地下鉄利用にしたところ、じつにいいタイミングで初台駅に停車する電車がやって来た。


川田正子メモリアルコンサート2 森の木児童合唱団第28回コンサート」
会場は、東京オペラシティコンサートホール。18時30分開演。

2部構成(構成・演出:下山啓)で、司会は、NHKラジオ深夜便に出演しているらしい元アナウンサー(?)の、宇田川清江というひと。


まず、第1部は、『川田正子を偲ぶ』と題して、平成18年1月14日に山梨県内でだけ放送されたという「川田正子童謡の世界」というNHKの特集番組をスクリーンに映して、これを見るというもの。

最初に、宇田川清江氏の解説のようなものが少しあって、あとはひたすら、ステージ上部に下ろされたスクリーンに映し出される件の番組を見る。

番組自体は、川田正子さんが童謡をうたうだけでなく、地元の児童合唱団との共演もあり、また、戦争とうたの関係に触れて「兵隊さんの汽車」と「汽車ポッポ」の歌詞のちがいをうたって聴かせたり、「里の秋」がもともとは外地から引き揚げて来るひとたちを迎えるうただったなどのエピソードの披露と、耳新しい話ではないものの、当時、少女歌手としてリアルタイムでうたっていたひとの言葉として、感慨を持って見ることが出来て、けっこう面白い内容だった。

とはいえ、50分ぐらいの間、コンサートホールでただテレビ番組を見ているというのには、いささか疲れも感じた。もう少し構成に工夫があってもいいと思ったが、故人に近しかった関係者の考えと、私のようなフリの客とでは、思惑や期待は、おそらく別のところにあるのだろう。

休憩が15分。

客席は、当たり前といえばそうだが、関係者の比率が高い様子で、とくに1階席はそう。一般客らしいなかでは、童謡・唱歌ファンといった様子の(故・川田正子さんに近い年配の)女性客が一定数を占める、といった感じ。


第2部は、森の木児童合唱団の演奏会。引きつづき、宇田川清江氏の進行で。

合唱団の出演メンバーは、18人。

ステージ下手にピアノ(井上美都)。上手・下手の端には大きなスピーカーを設置。

第2部前半は、文化庁の『親子で歌いつごう 日本の歌百選』
http://www.uta100sen.jp/
から、「おかあさん」をイメージした曲を中心にセレクトした、トータル11曲を披露。
(いい日旅立ち、あめふり、肩たたき、ないしょ話、おうま、ぞうさん、揺籃のうた、思い出のアルバム、里の秋、汽車ポッポ、みかんの花咲く丘)

メンバーは帽子なしのユニフォーム姿。


第2部後半は、合唱組曲『小さな目』〜朝日新聞「小さな目」より(作曲:湯山昭、指揮:苫米地英一)
1.おうちの人 2.ちゅうしゃ 3.おとうちゃん 4.ママへ 5.手紙 6.ふうりん 7.べんとう 8.くも 9.えんそく 10.おかあさんの手

メンバーは同じユニフォーム姿で、後半は帽子着用での登場。

『小さな目』では、各曲のはじめに、メンバーからひとり前へ出て、詩を暗唱して、そのあとうたになるという流れで、10曲。

森の木児童合唱団のメンバーは、全員、胸(襟、またはタイ)のところにマイクを付けている。拡声された音はきれいで、暖性があってよかったが、クラシック用のホールでの合唱なのに、ひとりずつマイクを付けるのかと、ちょっと意外の感もした。人数が少ないせいもあるのかな。詩の暗唱や、ソロをとるところは、マイクを付けているので、とどこおりなく進行。


アンコールが1曲あって(これが、森の木のマーチ、だったか?)、終演は、20時42分頃。

童謡や児童合唱のための組曲が中心の選曲だったので、聴いていて楽しかった。行進ふうの振付(向井好一)も、かわいい。


プログラムは、200円で販売。
収載の写真は白黒だが、学校のアルバムのように、メンバーの集合写真と名前が照合出来るようになっているのが、親切。せっかくコンサートに行ったのだから、たとえば、あの、いちばん下手でうたっていた女の子は誰れかな、と気になったとき、名前ぐらいは知りたいものね。




ここからは余談になるが、子どもが声を上げたりくずったりの繰り返しや、2階バルコニーでは演奏中に出入りするひとが多く、その度に扉の閉まる音がホール内に鈍く聞こえる、さらには、合唱団がうたっているのに、その間、ずうーとしゃべっているいい年をした(見た目は)紳士などなど、演奏中の客席がけっこううるさかった。せっかくの楽しいうたなのに、ステージに集中し切れなかった。子どもの声やひとの出入りは仕方がないにしても、演奏中に客席でしゃべりつづけている立派な見かけの大人は、いったい何をしに来たのだろうか…。