七月大歌舞伎「NINAGAWA十二夜」


7月24日(火)に、歌舞伎座で、七月大歌舞伎「NINAGAWA十二夜」を観劇。

夜の部で、4時30分開演。30分と20分の幕間があって、この日、終演は、8時45分。


24日は、当初、明治座で「水戸黄門」を見ようと思っていたが、合唱隊をひと目見るべく「NINAGAWA十二夜」に鞍替え。3階の6列、およそ中央の席で、なかなか見やすかった。足もとが窮屈でないのがいい。普段、歌舞伎座の3階席というと、公演日直前にどこやらから出戻ったらしい席を拾うと、1列目や2列目が取れることが少なくないが・・・今月は、この選択でまずは正解。


NINAGAWA十二夜」(小田島雄志・訳より、今井豊茂・脚本、蜷川幸雄・演出)は、初演は見ていないので、この日がはじめて。

評判の、鏡をはりめぐらせた装置が、予想以上のおもしろさ。後方だけでなく、両ソデ付近、下手なら黒御簾のところ、上手は浄瑠璃の床のあるところまでも鏡が覆っていて、役者の演技を正面からだけでなく、鏡に映った真横からや後ろからも同時に見ることが出来る仕掛け。また、紗幕代わりにもなり、鏡を透かせもする。道具が鏡に映り込むことでの奥行きには興趣がある。上階の席から双眼鏡を使うと、1階前方席のお客さんが鏡に映っていて、その反応が見えるのも、なお一興。


序幕。嵐のなかの船。このシーンでの照明が印象的。また、難破するときの「波」にも目を奪われた。あんな大きな波は、(舞台では)はじめて見たかも。

早替わりの面白さに加えて、双子役の大胆な吹き替えでは「腹話術」まで飛び出すサービスが楽しい。偽恋文にだまされて愚かさを露呈し笑いものにされる坊太夫と、見た目とは裏腹の風刺役の捨助と、座頭がこの二役を兼ねているのがミソ。坊太夫のやられっぷりから感じる多少の後味悪さを、最後、捨助の引っ込みが上手く消し去り、大団円の幕を引く。

役者陣では、翫雀丈の安藤英竹が、格別。笑わせてもらった。           


合唱隊の子役3人は、下手側からの並びで、赤が内田千晶さん、青が森川達也くん、黄緑が吉田愛美さん、でいいかな。…赤い服の子が、いちばんたくさんうたう。

筋書きの舞台写真に写っている合唱隊は、見たところ、観劇回とは別組の3人。
歌舞伎座内で販売されている、坂東秀調丈の舞台写真に合唱隊が写っていたので、買ってみたが、これは、博多座の子役だよね(7月8日に買った筋書きに載っている、博多座の舞台写真の子役と同じっぽい)。

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7月28日夜の観劇雑感。↓
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070731/p1