「愛と不安の夏」を再見

劇団夜想会公演「愛と不安の夏 原爆乙女たち・愛と勇気の軌跡」(於 紀伊國屋ホール)

4月3日の初日につづいて、6日(金)と、8日(日)に観劇。

初日の雑感(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070405/p2)の補足も兼ねて、以下、感じたことなどを。


6日に見たのは、2時開演の回。一部ダブルキャストになっている配役が、初日とは別の組だった。この回は、セリフをかむ出演者が多くて、全体にセリフが引っかかり気味だった。ただ、私は、こちらの配役のほうが面白いと思った。

また、子役が、ひとり少なかった。


8日は、立ち位置がちがっていたシーンがあったり(たまたまかも知れないが)、花岡ミツエ役のひとが舞台でこけたり、三幕の飲み屋のセットが倒れたりと、「!」な場面がいくつか。


この芝居の登場人物が戦争や原爆について口にするセリフの多くが、いわば直球の台詞だから、最初に見たときにはそのインパクトで引き込まれたが…2回目、3回目の観劇となると、客席で聴いていてかえって気恥ずかしくなってしまうところがある。

逆に、初日に見て唐突と感じた終幕の似の島(27年後)の場での終わり方が、2度、3度と見るうちに、いいシーンだと思えて来た。

暗転の多い芝居なのに、それが気にならないのは、転換をつなぐナレーション(檀ふみ)が効果的だったのと、扱っているテーマ(原爆とその後遺症)の深刻さのために、見ている側の自分も、途中でひと呼吸(いき)入れたくなるからだろう。

(ジム・クレイトンと組んでいる)カメラマンのピーターを演じていた藤真秀さんが、いい役者さんで、声のよさがひときわ印象的だった。かつての、夜想会の「ハムレット」ではレイアティーズを演っていたらしい。(その「ハムレット」なら見ているのだが、全く記憶に残っていない…)


なお、公演プログラムによれば、劇団夜想会の今後の公演予定は、

2007年11月、「人生劇場」(尾崎紅葉 原作)
2008年4月、「従軍看護婦(仮題)」於 紀伊國屋ホール
2008年8月、「同期の桜」

と、告知されている。




今回の観劇の、自分なりのまとめとして、「ヒロコ生きて愛 原爆乙女の戦後50年」という本を探して読んでみたい、と思ったところで、このテキストは、了。