「さくらん」を読む

明日(2/24)公開の映画「さくらん」
禿(かむろ)が登場するからには、見ない訳にはいかない映画である。

事前情報として知り得た子役の出演は、いまのところ、↓ぐらい。

小池彩夢(幼いきよ葉=原作の「とめき」)、山口愛(しげじ)、吉田里琴(にほひ)、赤池幸菜(ほたる)、木崎由子、幡かほり、青木琴子、福井貴子、田島さゆり、黒川由衣、菱山美幸。

[追記] 映画を見ての雑感と、子役の配役をこちら(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070303/p1)に書きました。


先日、チケットぴあのあるショッピングセンターへ行った折、同映画の前売りを買って、バレエ公演のチケットを引き出したついで(ついでといえば、状態のいい「アニー」のチラシも5枚ほど入手。過日、Bunkamura のチケット売り場で取って来たチラシはあまりきれいではなかったので)に、原作のマンガ「さくらん」を買って来て読んでみた。


安野モヨコ「さくらん」(講談社イブニングKCDX、857円税別)。続編があるのかどうか知らない([追記] 第2部があるらしい)が、この1冊で、いったんは完結しているので、この作者について予備知識がなくても、手に取りやすい。
吉原が舞台の劇画というので、どぎつい内容を予想していたが、そんなことはなく、真っ当な吉原ものだ。

全13話のうち、第2話〜第4話が禿時代(名は、とめき)。第5話で引込禿になり(名は、おりんとかわる)、第6話で新造になって、それ以降の名は、きよ葉(花魁日暮になる前まで)。

吉原に売られて来て、「とめき」と名付けられた禿は、花魁の「粧ひ」の世話になるが、素っ裸で逃げようとするなど反抗的で、たびたび折檻される。
原作では、とめきの同輩の禿のひとりが「にほひ」。「しげじ」は、高尾おいらんの禿で、その頃のきよ葉は座敷持になっている。

とめきが「けし禿」だったり、その後「引込禿」になり、また、第1話ではきよ葉を「昼夜金二分の座敷持」と紹介しているなど、読み進むにつれ用語や絵面に既視感があると思ったら、参考文献として「江戸吉原図聚」(三谷一馬 著)が挙げられていて、納得。

映画がどれくらい原作に忠実かは分からないが、原作は面白く読んだ。ただ、難をいえば、登場人物が見分けにくい画がある。


なお、「江戸吉原図聚」は中公文庫で入手出来、私は、禿に関する知識の多くをこの本に負っている。