エクステ


(「母べえ」の製作発表があったという)2月20日は、

池袋で、映画「エクステ」を見ていた。



臓器を奪われて殺され、体内に髪の毛を詰められていた少女(佐久間麻由)の遺体が、髪フェチ男(大杉漣)によって盗み出さる。遺体から伸びつづける髪。その髪から作られたエクステに、理不尽に殺された彼女の怒りが宿ってひとを襲う、というホラー映画。過剰なほどに大量の髪の毛、切られた髪から滴る血。ときに滑稽なほどに、気持ちの悪い映像が続発。

(いささかやり過ぎにも思える)エクステホラーの部分はたしかに怖いが、それ以上に、子ども(佐藤未来)を虐待しながら自堕落に暮らす母親(つぐみ、主人公の姉)の言動に気持ちを逆撫でされる。ひとを襲う髪よりも、子どもを虐待する母親の存在感が、私にはより恐ろしく、園子温監督らしく感じられた。虐待する母親をメインに据えたら、別の意味でもっと怖い映画になったのでは。

いきなり、美容師を目指す主人公の優子(栗山千明)の説明的独白ではじまる。ナレーションが鬱陶しかった「紀子の食卓」を思い出してしまったが、独白は最初だけ。


正座して、ですます調でしゃべる佐藤未来ちゃんが、かわいい。ひとりでいるところに、母親がやって来て開けろと戸を叩くシーンは、見ているこちらの顔が引き攣る怖さ。優子のヘアモデルになって、髪を切ってもらうシーンが、いい。

子役は他に、幼少期の優子役で、井上花菜ちゃん。
主人公が働く美容室に、猫が一匹。


プログラムが500円(製本されておらず、横長の紙が12枚、紙製のケースに入っている。これ、プレスシートをケースに入れて販売している、ということなのかしら?)。
2006年3月24日にクランクインし、5月3日に撮影終了、とある。


池袋の駅の改札を出て地上へ上る階段が、「エクステ」の広告になっていた。