声を飛ばせば人生が変わる

小林アトム「声を飛ばせば人生が変わる 自分らしさを演出する方法」(東洋経済新報社、1600円+税)を読んだ。

小林アトム氏が、30年を超える芸能生活の体験と、そこから得た自己PR術や、コミュニケーションの基本、劇団四季で学んだ発声法のノウハウなどを、一般向けに書いた、自己表現のハウツー本。

出版の話があったのは、2005年末に劇団四季を退団した後、とあるので、依頼を受けてから1年かからずに上梓に到った模様。



劇団四季の舞台での俳優のあり方を書いた『恩師・浅利慶太先生の忘れられない言葉』や『「居て、捨てて、語る」』の項は、面白い。四季ファンなら、これまでにも何かで見聞きしているようなことだろうが、メインキャストだったひとの体験から書かれた文章には、改めてうなずけるものがある。

作家や演出家によって俳優への要求は異なり、組織にはそれぞれの文化があるのだから、それらに対応し、上手く使って行くべきとする、前向きな姿勢が気持ちのいい本である。



四季退団後に、テーマパークのミュージカルに出演したときの話も書かれているが、これは、「ウィケッド」のことなのかな。
2007年は、「ハウ・トゥー・サクシード」に出演予定とのこと。