「日本橋物語3 最愛のひと」千秋楽

11月26日(日)は、明治座で、「日本橋物語3 最愛のひと」を観劇。この日、千穐楽。11時30分開演。(3日22日夜につづいて、3度目の観劇だった)

千穐楽なので、カーテンコールがついて座長さんのあいさつぐらいはあるかと期待したが、カーテンコールもつかずにあっさり終わった。(昨年の「日本橋物語2 恋しぐれ」の千穐楽には、ダブルキャストの子役も揃っての、オールキャストでのカーテンコールがあったのに…)

ただ、この日は、複数の色んな団体が入っていたようで、その影響があったのか、とみるのは穿ち過ぎだろうか。千穐楽にプラスアルファを求めるのは、演劇鑑賞や好みの出演者を目的に劇場へ来る観客であって、観光や接待、慰安のために芝居見物をするひとたちには、余計なことでしかないかも知れない。
ロビーでは、北大路欣也さんの描いた絵を、22000円で売っていた(ぬいぐるみの絵である。22日の観劇時にもあった)。22000円という値段が、なんとなく「微妙」。

子役のしどころとしては、「林葵子・守山玲愛」が一幕の井原繁役(「ぼたもち」のセリフがあって、白いハイソックス)、「大陸虹けい・浦野光生」&「小出幸果・永田優衣」が二幕の厨房と津田家の居間のシーンにねまき姿で出て来る姉妹だから、一幕の幕前での靴みがきの役が「平本亜夢・南雲有紗」ということだろう。
ダブルキャストの組み分けは、上記の各役の、前者が初日に、後者が千穐楽に出演していた(で、合っていると思う)。



幕間にロビーの椅子に座っていたら、携帯で、芝居がつまらないと電話しているひとがいたのには、思わず苦笑(出演者のお知り合いらしく、つまらなくても帰る訳には行かないようだった)。確かに、こういう舞台は、ダメなひとには、とことん退屈だと思う。逆に、年配のご婦人層を中心に、ちょっとしたセリフやしぐさがやたらとウケる。その感じ方のギャップは、とても大きいものだろう、と。

この「最愛のひと」では、三田佳子さん演じる津田節子は「はんなりした江戸っ子の雰囲気」ということでか、終始、「ひ」を「し」と発音してセリフをしゃべるから、たとえば、「コーヒー」が「コーシー」になるのだが、こういうところで、一部の客席がいちいち大ウケしてしまうから、それをちっともおかしいと思わないと、ものすごく違和感をおぼえることになる。もちろん、劇場にとってありがたいお客さんは、私みたいな客ではなくて、「コーシー」で大笑いしてくれるお客さんたちのほうだろうとは、分かっているのだけれど…。


それはともかく、二幕の最後の場での「引き取ってくれ」から「息を引き取るとか」に運ぶセリフの流れは、面白かったな。冒頭の劇中劇の「婦系図」のセリフを、後の幕で主役のふたりにしゃべらせるところも効いていた。初日にあったセリフがなくなっていたりもしたから、途中で少し手が入ったみたいで、22日の観劇が、初日とは打って変わって楽しめたのは、そのせいもあったか。