時代の証言者 中村吉右衛門 1



読売新聞朝刊の連載企画、「時代の証言者」

今日から、歌舞伎俳優の中村吉右衛門(61)。



ちょうど、新橋演舞場で公演の真っ最中。

観客にとっても、タイムリーなインタビューの登場だ。



5月10日付の第「1」回は、『初代の芝居 伝えたい』



 『私は子役のころから、いつも先輩の後ろを歩いているだけの役者でした。



 やがて、先輩のおじさん方が亡くなられ、いつの間にか、私が前に出ていたわけです。



 歌舞伎は、ここへ来て変わったなという感じがしています。それまでは皆さん、先輩のやったことを墨守し続けてきた。私も頑なにそれをやっているだけです。

 新しいことをやる方から見れば旧態依然とした考えの持ち主ですね。先人に教わった料理しか出せないんです。



 今月は初代の残した芝居を伝えるため、皆さんにこうやってくれああやってくれとうるさくお願いしました。




劇場(新橋演舞場)側は、5月の吉右衛門歌舞伎を恒例にしたい意向だという。