負けるのは美しく
先日、児玉清「負けるのは美しく」(集英社、1600円税別)を読んだ。
児玉清ブーム、なのだという。
たしかに、ドラマやCMでよく見かける昨今である。
一時期は、「パネルクイズアタック25」の司会は続いていたものの、本読み(読書家)としての仕事が目立ち、俳優はしていないのか、と思った時期があった。
自身の俳優としての来し方を振り返り、また、仕事を支えてもくれた娘さんの闘病の日々をつづった内容。文芸誌「すばる」の、2002年5月号〜2005年4月号に連載されたもの。
読みやすい文章で、決して順風ではなかった俳優生活、撮影でのエピソードや、氏の考えをつづったエッセイ。
自分や家族が、助かる確率の低い病に罹ってしまったとき、どんな治療を選択するか、また、医者のすすめる治療をどこまで受け入れるのか。考えさせられる。
「サウンド・オブ・ミュージック」でトラップ大佐を演じたときのことも、少し。