KAKURENBO かくれんぼ
10月10日は、新宿コマ劇場で観劇後、紀伊國屋書店での買い物を経て、東銀座へ。雨のなか、新橋演舞場の発券機で予約済みのチケットを引き出して、それからすぐ近くの時事通信ホールへ行って、
5時半開演の「KAKURENBO かくれんぼ」を観劇。
過去ログのこの舞台。→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20050830/1125397117
もしかしたら、一般客が入りにくい、熱心な固定ファンで煮詰まった雰囲気かも、と想像していたが、全然そんなことはなくて、もぎりのひとも感じがよかったし、へんな小劇場演劇よりずっと良質な空間だった。
上演時間は、(休憩なしで)約1時間50分。
狭いステージと客席通路、スクリーンを使っての進行。ステージ下手でピアノの生演奏(小坂明子)。
会場は演劇用のホールではないし、ステージが低いので、フラットな床に椅子を並べた客席からは見づらい難あり。
自分を捨てた親を恨みながら、すさんだ日々を送る孤児院育ちの双子の若者(粕谷佳五、宮本行)が、おやじ狩りをしようと声をかけた時代錯誤なサラリーマン風の男(藤本隆宏)。その男に導かれ部屋へ行くと、1970年にタイムスリップしてしまう。
そこでふたりは、まだ発病する前の12歳の姿をした母親(桑名里瑛)と出会い、その口から両親の秘密を知らされる。
ドタバタっぽい導入から、タイムスリップものの手法を用い、ハンセン氏病患者への差別問題へと運ぶ展開の、割りと硬派な内容。ミュージカルではなく、たまに、うたが入る音楽劇仕立て。
作・演出・作詞を手がけた藤本隆宏の才気と、(大劇場ミュージカルとはひと味ちがう)繊細な歌唱が印象的。ただ、ストーリーはまどろっこしいところがあるので、もう少しすっきりさせての、再演を見てみたい。
若手ふたりの演技は、舞台としては、中途半端。
12歳ながら、24歳になる双子の母親、という設定をこなした桑名里瑛。セリフはマイクにしゃべっている感じだったが、とくに舞台用の演技が要求されていたようでもなかったし、白い衣裳で、きれいな少女のイメージ性が際立っていた。
他に、米澤観児が声の出演。
プログラムは、4ページのものを無料配付。
以上、敬称略
なお、桑名里瑛ちゃんは、12月公開の映画「奇妙なサーカス」に出演している、とのこと。