モーツァルト! 7月29日(帝国劇場)



7月29日(金)は、帝国劇場で、「モーツァルト!」を観劇。

13時開演。



中川晃教のヴォルフガングに、川綱治加来のアマデ。



このステージが、西田ひかる(コンスタンツェ)さんと久世星佳(ヴァルトシュテッテン男爵夫人)さんが、それぞれの役で今年の公演に出演する最後ということで、開演前から、客席にはそれらしい雰囲気があった。





川綱くんのアマデは、この日は、ややクールな面が前に出ていた印象だった。



(あるいは、座席位置のせいかも知れない)

舞台は、上からしか見えないものもあれば、ステージに立つ俳優より低い座席だから見えるものもある。 …川綱くんのアマデも、少し見上げるような角度だと、またちがった感じがして新鮮だった。



ヴォルフガングのことをじれったそうに見る表情の滋味は、彼のアマデならでは。



父親のもとを離れ、「僕はウィーンに残る」ではコロレドの干渉をも振り切ったヴォルフガングが、「いまこそ自由だ」と思ったそのとき、アマデの存在がクローズアップされ、アマデからは自由になれないのかと、「影を逃がれて」の歌唱へつづく流れがとても分かりやすく、これを、アマデの手柄、といっては いい過ぎだろうか?





第一幕の幕切れの、羽根ペンを突き立ててのきまり方が、きれいだった。

中川ヴォルフガングだと、ここで、幕が下りて照明が落ちたあとも、アマデとヴォルフガングがきまったままなのがいい。(井上氏は、しゃがんでしまうから。…あのまま立っていると、頭がぶつかるのかな)



ヴォルフガング中川氏は、この日も左手のつめを塗っていた(もうここまで来ると、確認しないではいられない)。





カーテンコールでは、中川さんから「ふたりの共演者が今日千秋楽を迎えました」と紹介があって、そのふたりの挨拶。



ヴァルトシュテッテン男爵夫人の役には、初演のときから苦労したらしく、今回は、役と鬼ごっこは出来たのではないか、と久世さん。男爵夫人の役は、追いかけると逃げて行く、とのことで。あとは、共演者へのエールなど。



西田さんは、梅田芸術劇場と帝劇で2か月やって、(仕事なのですが)合宿気分で楽しかった、と。公演は、(これまでよりも)これからのほうが長いので、と共演者へのエール。わたしも名古屋と福岡に行きますので(見に行くのか、カーテンコールにでも出るのかは、不明)、みなさんも(と観客へ)よかったら、中日劇場博多座も応援して下さい、みたいな内容。



ふたりの挨拶のあと、明日からは、新しい共演者、香寿たつきさん、木村佳乃さんを迎えて公演はつづきます。云々・・・と中川さんが引き取って、幕。





最後の最後の、緞帳前のヴォルフガングとアマデは・・・

ヴォルフガングが先になって出て来たので、いつもとちがう、と思ったら、耳打ちされたアマデの治加来くんが、下手ソデから西田ひかるさんを連れて来て、(舞台中央で向かって左から)コンスタンツェ・アマデ・ヴォルフガングの並びで、拍手にこたえて。

舞台下手へ行って、3人で投げキスしたあと手を振って引っ込んで、了。





余談だけれど。

ヴァルトシュテッテン男爵夫人というのは、謎めいた存在だ。

はじめのシーンで、男爵夫人が秘密の箱を与えたばかりに、アマデという存在があの姿でヴォルフガングのなかに生まれてしまったとしたら、けっこう罪つくりなおばさんだな、と思ったりする。