モーツァルト! 7月6日昼(帝国劇場)



7月6日(水)は、帝国劇場で「モーツァルト!」を観劇。

昼の部で、1時開演。



休憩が 30分あって(夜の部の初日は 25分だった)、この日の終演が 4時27分頃。



中川晃教のヴォルフガングに、川綱治加来のアマデ。



中川晃教というひとのうたには、うねりがあって、「残酷な人生」の歌唱は圧巻だから、とくに第一幕は、「残酷な人生」までにいちど、そのあと「影を逃がれて」の幕切れまでにと、2度の大きなうねりがドラマをつむぎ、芳醇だ。



ザルツブルクの居酒屋で、ヴォルフガングがシカネーダーのステッキをオケピットに落っことしたのが面白かった。どうするのかと思ったら、ハプニングを明らかにハプニングとしてジェスチャーに取り込んでこなした。戻って来たステッキが「ブルータスよ、お前もか」のセリフに間に合ったのが、傑作。





川綱治加来くんのアマデは、ふつうに感情を顔に出すし、素直なリアクションをするところもあって、等身大の少年に近いイメージだ。彼がヴォルフガングに注ぐ視線は、少年モーツァルトが自分の成長した姿を見守っているようで、やさしげだ。



かつての鶴岡良くんが表情を抑えて、ただ者ならぬ雰囲気があったのと較べると、同じ男の子が演じながらも対照的に、川綱アマデは、神の子というより ずっと人間ぽいつくり。



ヴォルフガングとの関係でも、齟齬や反目がありながらも、彼のすることを、「しょうがないな」とでもいいたげな表情で許している。



中川ヴォルフガングと川綱アマデは、終始、「相棒」とでもいった感じに見えるので、ふたりの間でも、コンスタンツェを挟んだときも、さほどの緊張感はない。

そのかわり、男同士ならではの友情のようなものが汲み取れ、ラストシーンで、死を前にしたヴォルフガングへのアマデのまなざしは、優しく哀しげで、情緒的だった。





カーテンコールのあと、オーケストラが送り出しの演奏。

そのあと、緞帳前に、アマデとヴォルフガングが登場。中央で、中川氏の投げキッス。となりでアマデちからくんが何かとって、食べた・・・何? 投げキッスが落ちて来たのをとって食べたのかしらん?