コシノものがたり (明治座)



少し前になるが、1月21日(金)は、明治座「コシノものがたり 〜心はいつも乙女のように〜」を観劇。

夜の部で、少し押して午後4時7分に開演、終演が7時57分頃。



観劇の数日前にチケットを買ったが、画面を見たらあちこちに空席があり、最前列から3階まで、よりどりみどりだった。平日の夜の部ではあったが、お客さんの入りはいまひとつかな、と思った。

観劇料金は割り引かないものの、e+に(コシノグッズ付の)得チケが出たり、千秋楽には来場者にコシノブランドのハンカチプレゼントなどもあったようだ。



コシノ三姉妹とその母を主人公にした、コシノファミリーの自伝的な舞台。



コシノヒロコ池畑慎之介さん、ジュンコに萬田久子さん、ミチコに牧瀬里穂さん、三人の母アヤコに赤木春恵さん

プログラムでの紹介順は、萬田、池畑、牧瀬、赤木だが、幕ごとの配役は4人の順番を入れ替えてあり、「4人が主役」と考えてよさそうだ(最後のカーテンコールにも、この4人だけが登場)。



説明的なナレーションと暗転の連続になる第1幕の立ち上がりがダメダメである。母アヤコの若き日を萬田が演じて、すぐに赤木へバトンタッチという流れもしっくりしなかった。
1幕の終わりからは少しテンポが出て、2幕、3幕では回り舞台やすっぽんを使って、転換もスムーズになった。



デザイナーとしての成功譚や華やかな出世物語を期待していると裏切られる。母子4人の葛藤と家族のドラマに焦点を置き、日本人の情緒に訴えるようなつくりで、全般にウェットな舞台なのだ。4人それぞれの一所懸命さに昭和の時代への郷愁をかきたてるところがあり、ほろりとさせる場面も多い。



長女ヒロコと次女ジュンコの熾烈なライバル意識が、ともにデザイナーとしての原動力だったり、テニスで日本一にまでなりながら母に認められたい一心から服飾の道へ転進する三女ミチコ、アヤコの不倫の恋などのエピソードは興味深く見た。



ラストのファッションショーは、この舞台の眼目なのだろうが、私にはおさまりが悪く感じた。





子役は、ヒロコの幼少時代を、小川夏樹ちゃんが演じていた。顔立ちが和風なので、昭和の子どもは似合っていて、セリフも上手かった。



時子は泉萌佳さんだったと思うが、ジュンコとミチコはどちらの子か見分けられなかった(プログラムの記載からは、ここ に書いたような組み分けになるはずだが)。



子役のうち、小川夏樹ちゃんだけが下にタイツをはいているのはなぜだろう、とか、ミチコ役の子のソックスのサイズが大き過ぎなのは、むかしの子どもはすぐに成長するからと大き目の服や靴も珍らしくなかったので、それを意図したのか、それとも単に用意された衣裳が大き過ぎただけなのか…など、気になることがあった。





プログラムによると、池畑慎之介さんは「リアルな女形を目指している」のだそうな。

そうか、なるほど。現代劇の女形、として見ればいい訳なのだね、あの方のお芝居は。