「伊賀越道中双六」 初日



国立劇場(大)の 十月歌舞伎公演、通し狂言伊賀越道中双六」の初日を観劇。

 以下、敬称略



12時開演、4時25分終演(ロビー掲示のタイムテーブルでは、4時20分終演)。



総じて、退屈。



発端、饅頭娘、奉書試合とあって、そのあと唐木政右衛門(=荒木又右衛門)は大詰の仇討ちまで登場せず。この間「沼津」の呉服屋十兵衛が主役になってしまうので、仇討ちに到る流れが唐突で、結末が取って付けたよう。



作品の見せ場も、中村鴈治郎というひとの本領も、剣豪役よりはむしろ呉服屋十兵衛のほうなのだろうが、その「沼津」という幕を面白いと思えない身には、とにかく退屈だ。

鴈治郎秀太郎我當による「沼津」を味わえるむきには、見どころのある舞台かも知れない。



・・・主役が鼻をすすってばかりいるのも、終始気になった(笑)。



中村魁春のお谷は、「饅頭娘」で、唐木政右衛門に離別されるだけの損な役で、通し狂言ならもうひと役くらい受け持ってもよさそうなところ。





子役は、「饅頭娘」のおのちに、関根香純

「奉書試合」(の殿様こと誉田大内記)の小姓に、石川竜樹(御前試合のとき、刀を持って控えている)。



おのちは、居ずまいよく、セリフも明瞭でしっかりしている。

ただ、男の子が演っているような雰囲気で、いとけないとか頑是ないというには端然とし過ぎているせいか、7歳の花嫁という意外なお話もあっさりと進行の感あり。





 もう1回観劇の予定だが・・・漫然と見ては退屈してしまうので、少し勉強して、意図的な観劇をしてみたい。