八月納涼歌舞伎 第二部
8/12(木)、歌舞伎座で、八月納涼歌舞伎の第二部を観劇。
午後2時半開演。「蘭平物狂」が、90分。
20分の幕間を挟んで、「仇ゆめ」が60分。午後5時20分の終演。
「蘭平物狂」
とにかく、立ち回りが、すごいや。
話には聞いていたが、聞きしに勝るとは、このこと。
蘭平と絡みの花四天による大立ち回りを見るだけでも、価値があるというもの。
他ジャンルの演劇を見て来たひとがこれを見ると、(歌舞伎を見慣れているお客さんよりも、かえって) 凄味を感じるのではないか。
はしごを使っては、出初式さながらだし、屋根から一回転して石灯籠の上に降りる(返り落ち、というらしい)なんてことを歌舞伎の俳優がやってのけるのだから、スタントや剣友会などが見せるアクションシーンよりも、はるかに鮮烈だ。
蘭平役の坂東三津五郎丈にしても、あの扮装で屋根から石灯籠へ跳び下りるなどは、危険と背中合わせだし、花道に立てたはしごに登っての殺陣をはじめ、まさに身体をはらないと出来ないシーンがこれでもか、とつづく。
もしこの「蘭平物狂」で、はじめて歌舞伎を見たとしたら・・・歌舞伎に対する先入観が見事にくつがえされたことでありましょう。
中村児太郎くんの一子繁蔵、なかなかいい。
御曹司の子役は、締まりのない演技をする子がいるが、そんなこともなく、見得もきまる。
蘭平に向かって「あっかんベー」をして見せる様子など、かわいい。
「仇ゆめ」
お話としては、私は、こちらのほうが、好き。
勘九郎丈のたぬきが、憐れで、かわいそう。
あんなたぬきをなぶりものにするとは、あの揚屋の亭主(染五郎丈)はじつに悪いやつである。
児太郎くんの禿は、風情もしゃべり方も女の子に見えない。
禿といっても太夫の添え物ではなく、出番も多くて、面白い禿なのだが、一子繁蔵での立役が抜けないのか、女の子のなりをした男の子といった印象も。
筋書きを見ると、成駒屋の優太くん、
「今は立役に夢中」とあるから、ま、こんなものかも知れぬわなぁ。
ところで、歌舞伎の奴(やっこ)は、どうして「ねい」っていうのだろう。
主役の奴も、脇の奴も、間抜けな奴も、みんな「ねい」っていうけど、
「ねい」って何?
返事とか合の手ということでいいのかな。(もっと勉強が必要か?)