NAPPOS PRODUCE「スキップ」(サンシャイン劇場)


NAPPOS PRODUCE「スキップ」

原作:北村薫(「スキップ」新潮文庫刊)
脚本・演出:成井豊

サンシャイン劇場で、5月4日(木・休)の午後1時開演のステージを見た。

場内に掲出されていた上演時間は、2時間5分。途中休憩なし。この回の終演は、3時13分ぐらい。

http://napposunited.com/skip/


出演(配役):

霧矢大夢(真理子42) 深川麻衣(真理子17)  岡田達也(桜木) 木村玲衣(美也子) 粟根まことに(父/尾白先生/岩村)  碓井将大(新田/まだら髪) 深谷由梨香(母/有馬先生/井関/池内42) 長濱慎(大滝/山尾) 熊川ふみ(葛西/安倍先生) 原田樹里(新田の母/島原)  関根翔太(村岡/栗岡/白岡) 石森美咲(田辺/柳井) 大滝真実(池内17/里見) 山崎雄也(香川/杉戸) 元木諒(宮代/多賀井/魚)


開演前のロビーでは、7月発売の同公演のDVD(本編+特典映像で、2枚組。会場申し込みは、舞台写真付きで、税込6500円+送料各種手数料1200円)の申し込みをしているひとが目についたが、終演後はさらに申し込み者続出な様子だった。主演のひとのファンが多いのかな?

主演のアイドルのひとは、26歳になるらしいが、17歳の役柄も、衣裳の制服姿も似合っていたし、三つ折りの白ソックスがかわいいし、ファンだったらDVDは欲しくなりそう。

グッズを買うつもりはなかったのに、キャストフォトというのを売っていて、「石森2枚組」というのもあったので、列に並んでひとつ購入。400円。 はじめての石森美咲グッズ、なのかな?


設定は、真理子17歳が1967年なので、いま=真理子42歳は、1992年。

私は今回はじめて見たけれど、この作は、もともとがキャラメルボックスが上演したもので、プロデュース公演とはいえ、演出家も同じで、キャラメルボックスからの出演者も少なからずなので、舞台は、いかにもキャラメルボックスらしいつくり。

脇を固めるキャストが入れ替わり立ち替わり、語り手を努めながらの展開や、その場に出演しないキャストが必要な小道具の持ち運びで登場したり、舞台の上に載っけた人力手動の回り舞台などなど。


で、この舞台は、17歳の女子高生が、突然、25年後の自分(42歳の高校教師。別の高校に勤務する教師の夫と、17歳の娘がいる)になってしまい、結局、17歳には戻らないままで終わりになる。

タイムスリップものや、心が入れ替わるとかの設定のお芝居で、もとに戻らないで終わるのって、どうにも納得が行かないのだよね。とにかく、すっきりしないし、辻褄が合わなかったりも。このお芝居も、中途半端な終わり方をするなぁ、と思った。

キャラメルボックスは、ファンタジーが多いから、もとに戻らないのもめずらしくはないのかな。たとえば、「きみがいた時間 ぼくのいく時間」と「フォーゲット・ミー・ノット」も、タイムスリップしたままだったし、「彼は波の音がする」に到っては、天使がまちがえて死ぬはずではない青年を死なせちゃって、もとには戻れず、他人のからだを借りて生きるしかないという、すさまじく理不尽で、救いようのない話だった。
そうそう「ゴールデンスランバー」なんて、主人公は濡れ衣を着せられたまま、事件の真相も分からず仕舞いで終演で、あれも中途半端な終わり方だった・・・


スタッフクレジットには、『歌唱・演技指導:石川寛美』とあった。主演のアイドルのひとの舞台での演技を指導したということでしょうね。