「放浪記」新旧比較 その2


「放浪記」

(林芙美子作品集より、菊田一夫 作、三木のり平 潤色、北村文典 演出)

10月16日(金)に、シアタークリエで、仲間由紀恵主演公演の2度目の観劇。

初日は特別カーテンコールだったので、仲間由紀恵さんひとりでのカーテンコールをはじめて見た。
(ここに少し書いた。→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20151016/p2)

16日は、二幕二場の女給部屋で、芙美子が煙草に火をつけようとしてマッチを擦ったが、ちっとも火が点かない。で、もうひとつマッチを取り出して擦ったら、今度はすぐ点いたが、ちょっとアドリブが入ったりして、おもしろかった。


ということで、ふたたび、森光子さんの「放浪記」との新旧比較。

前回書いたもの(→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20151015/p1)からの続きで、その2です。

気になったセリフのカットや、それにともなう設定変更なども、いくつかピックアップしてみましょう。


[第一幕 本郷・大和館]

芙美子が神保町で買って来たチェーホフの原本。今回の仲間由紀恵さんは、この本を「桜の園」とはっきりいっている。森光子さんのときは、翻訳のセリフの一節を口ずさむが、タイトル(桜の園)は口にしていなかった。


[第二幕 カフェー寿楽〜寿楽の女給部屋]

森光子さんの「放浪記」では、芙美子が「由美」という名前で店に出ていたが、今回公演ではこの「源氏名」は使われていない。そのため、「由美」という名前についての上野山光晴と白坂五郎の会話などもカットされている。

かつての「放浪記」では、悠起には子どもがいて、その子を「おば」に預けているという設定で、女給部屋のシーンでは、芙美子といっしょ寿楽を辞めることにした悠起がそのことを語るのだったが、今回公演では、悠起が子持ちという設定はなくなったようで、第四幕の木賃宿の場と合わせて、それに関する悠起のセリフはカットされている。

女給部屋の場で、芙美子が語る身の上(来し方)話のうち、小さな新聞社の広告取りもしたというくだりがカットされていて、そのせいか、二幕二場の芙美子のセリフがかなり短く感じる。


[第四幕 世田谷の家/南天堂]

今回公演では、四幕一場で、隣家の村野やす子が夫を「きたじま」といっている。以前は「北村」だった。

南天堂での出版記念会の場で冒頭の部分がかなり短縮されていることはすでにふれた(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20151015/p1)が、今回公演では、この場に登場していた「ボーイ」に代わって「メイド」が登場している。また、以前は、上手からの出だった日夏京子、白坂五郎、村野やす子の3人が、下手からの出に変わった。舞台の使い方からして、今回公演では、3人は、出版記念会に出席していたのではなく、終わった頃に顔を出したということだろう。


  [追記] 新旧比較 その3 http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20151024/p2

ところで。

行商人の子は、初日と16日とで、見たかった子役を続けて見ることが出来たので、大いに幸い。

で、この先の観劇予定が、全部この子になりそう。→http://ameblo.jp/yu-kipromotion/entry-12085416086.html

このままだと、もうひとりの子に当たらずに終わってしまうが、さて、どうするべきか(と悩むところ)。