「転校生」雑感

「転校生」

平田オリザ 脚本、本広克行 演出

を、8月23日(日)にいちど見て、

転校生 (Zeppブルーシアター六本木) - かむろのたより(※後から、少し加筆修正してあります)

その後、9月5日(土)の昼・夜と、千秋楽の9月6日(日)とで、トータル4回観劇した。

座席は、12列で2回(下手側と、やや上手)、13列(中央)で1回、15列(上手側)で1回。このうち、15列の席は、会場で販売していたリピーターチケット(6000円→5000円)で購入。

この公演の、Zeppブルーシアター六本木の座席は、12列が最前列だったが、千秋楽は、11列(上手と下手のブロック)にも何人かお客さんが入っていた。


配役を控えておくと、

山田恵理: 逢沢凛
瀬川みどり: 秋月三佳
上田順子: 芦那すみれ
西岡ひとみ: 生田輝
向井京子: 石山蓮華
木下秀子: 石渡愛
小島芳子: 伊藤優衣
高田美幸: 伊藤沙莉
町田ミナ: 今泉玲奈
寺岡理恵子: 折舘早紀
秋山美和子: 川面千晶
根本久美: 堺小春
堀田早苗: 坂倉花奈
大西由美: 桜井美南
野本小百合: 清水葉月
中島智恵: 多賀麻美
森田真紀: 永山香月
鈴木真由美: 藤松祥子
田島めぐみ: 南佳奈
飯田尚美: 森郁月
吉井晴子: 吉田圭織


以下は、今回の「転校生」を見て、感じたことや、気づいたことや、気になったことなどのあれこれ。


開演15分前、3分前の客席へ向けてのアナウンスは、キャストのなかから担当者(毎回くじ引きで決めていたとの情報あり)が行なっていたようだが、開演15分前のときには、そのアナウンスの全文が、台本が出るのと同じ正面のスクリーンに映し出される。

ステージの下手にあるピアノを弾くのは、野本小百合と、堀田早苗である。野本小百合のほうが弾く回数が多い。

鈴木真由美は、ギターを弾いていた。プログラムによれば、軽音楽部という設定になっている。

高田美幸は、下の名前は異なっているが、映画や舞台の「幕が上がる」で同じキャストだった「高田」と同一人物になっていた。(でもさ、映画の富士ヶ丘高校って、たしか女子高ではなかったはず。「転校生」は、女子高だよね)

野本小百合は、カメラを手にしていることが多い。どんな意図でだろう?

町田ミナは、恐竜が好きらしい…


ステージの「教室」の上部には、吊りものの「黒板」がふたつ下がっていた。上手側の「黒板」は、1場では下りているが、その後上へ上がるとそのままで、下手側の「黒板」は、机の向きが変わったときも下りては来なかった。

生徒たちが、教室で、お菓子やお弁当を食べるシーンがあるが、じっさいには食べていない。(たとえば、この「転校生」と並んで、女子高生ものの演劇としてすぐに思い浮かぶのは、吉田秋生原作の「櫻の園」であるが、その「櫻の園」ではアイスクリームを食べるシーンがあって、私が見た2回の公演では、じっさいにアイスを食べていた)

複数のカメラによる映像が、左右のふたつのスクリーンに「教室」の生徒たちの演技を同時中継するが、ときおり、「楽屋」の前で出番ではない数人の生徒たちによって映される映像も、スクリーンに現れる。たとえば、世界の高校生について調べた「記事」や、お昼のときのお弁当や学食の画も、楽屋前の生徒たちが生で映していたようだ。(席位置によっては、あの生徒たちが何をしているのかが、よく見えない)


すでに少し書いたが(今日の観劇 - かむろのたより)、今回の「転校生」は、3場に、初演の台本にはない掃除のシーンが加筆されている。その加筆された部分のうち、「クラブ」をめぐるイントネーションのことから、いろいろ言うっていうところは、スクリーンに映る台本には具体的に書かれていないので、あのやりとりはキャストに任されて創ったシーンだと思われる。

4場で、野本小百合が調べものに絡めて、母親のことを話すのも初演の台本にはない。初演から20年以上経っていることで、1985年の記事を、高校生の親世代が若かった時代と結びつけたのだろう。

このお芝居は、生徒たちの役名(の下の名前)が、さすがにいまの時代とは合わなくなっている。2009年に、飴屋法水が演出した「転校生」では、もともとの台本の役名を使わずやっていたことを思い出した。

カーテンコールでは、中央に小さい生徒たち、左右へ向かってだんだん背が高くなって、両端に大きい生徒が立つという並び。どちらかといえば、小さいキャストのほうが、総じて印象的な役を演っていた傾向もあったから、大西由美や野本小百合は中央やそれに近い立ち位置になっていて、それなりにバランスのとれた並びだった気もする。


「サナギネ」ではじめて見て、「墓場、女子高生」で魅了された清水葉月さんは、この「転校生」でもすばらしかった。

(タイトルロールともいえる)桜井美南さんがとてもかわいかったのと、表情の出し方がとてもよかったな(このあたりは、映像での同時中継の効果もあるのかも)。かわいいといえば、伊藤優衣さんがかわいくて、今泉玲奈さんのミナ役がすごくおもしろかった。藤松祥子さんはむかしからギターを弾いていたの?(ベリーベリーの頃はどうだったの?)

学級委員役だった折舘早紀さんは、青森県立中央高校の演劇部出身だから、昨年11月に、フェスティバル/トーキョー14で「もしイタ 〜もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら」が上演されたとき、「さき」を演っていたひとだよね?(あのときの「もしイタ」は、もうひとりのマネージャーが「かりん」だった)

ところで・・・・桜井美南さんと折舘早紀さんと伊藤沙莉さんと坂倉花奈さんを、正確に背の順にすると、どういう順番になるの?