ジョイキッズ・ミュージカルスクール 第6回発表会(THEATRE1010)

4月26日(日)に、シアター1010で、

JOYKIDS MUSICAL SCHOOL (ジョイキッズミュージカルスクール)第6回発表会

を見て来た。

 (過去ログのこれ。→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20150330/p1)

なかなかよい感じの発表会で、楽しめました。


同日に2回公演あって、私が見たのは、12:00開演のJ組公演で、上演時間は、2回の休憩を含めて、トータルで、約2時間30分。

プログラムは、300円で販売。表紙込みで8ページだが、配役やシーンごとの出演者が細かく記載されていて、親切なつくり。

J組公演とK組公演(16:30開演)では、生徒(子ども)さんたちは、別メンバーの出演になっていた。配役は変わっても2回とも出演する発表会もあるが、このジョイキッズ・ミュージカルスクールの場合は、2つの組に分かれて、出演はどちらか1回のようだから、配役は、J組とK組でのダブルキャストといえる。「バレエ・コンサート」では、メンバーが替わることで、途中のプログラムに異同もある。
両組とも生徒の出演は、67名。

今回は、一般の観覧も受け付けるという案内が出たので、チケットを申し込んでみたが、1階席の通路より前の座席で、とても見やすい席だったことには、ちょっとびっくり。(発表会だし、一般客だと後方か、2階席になるかな、ぐらいに思っていたから)


第1部「ミュージカル・レビュー」(構成・台本・演出:山崎義也)
第2部「バレエ・コンサート」(構成・振付:玉城晴香)
第3部 Off Broadway Musical「キャプテン・ルイ」

の3部構成。

子どもたちが数人ずつ、交替で、MCをする。とくに第1部では、開演前の諸注意やお願いからはじまって、休憩前まで、6景あるミュージカル・レビューの曲間に、ナンバー紹介などもする。これが、なかなかおもしろいし、いいアクセントにもなっていた。
6景のなかでは、(「ビッグ」から)「クロス・ザ・ライン」がよかったな。山崎義也さんが舞台で演じるのを見たのは、「MITSUKO〜愛は国境を越えて〜」以来だったと思うが、さすがに上手いものである。

「バレエ・コンサート」は、ヴァリエーションを踊った生徒さんが3人いたけど、ゲストダンサーとパ・ド・ドゥを踊るような子がいるわけでもなくて、このあたりは、バレエスタジオの発表会とはずいぶんちがいますね。バレエのクラスを選択している子だけの出演らしく、人数的にも少ないです。「バレエ・コンサート」の後半は、三木雄馬さんと玉城晴香さんによるグラン・パ・ド・ドゥ。


オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「キャプテン・ルイ」

原作:エズラ・ジャック・キーツ「ルイのひこうき」(邦題)
脚本:アンソニー・スタイン(Anthony Stein)
作詞・作曲:スティーブン・シュワルツ(Stephen Schwartz)
翻訳・訳詞: 廣田しをり・間杉直子
演出・訳詞:山崎義也
振付:清水絢子
音楽監督・シンセプログラミング・歌唱指導・訳詞協力:西野誠

「キャプテン・ルイ」の上演時間は、カーテンコールも含めて、約1時間。

主な配役は、以下のよう。

ルイ(キャプテン・ルイ) 中島梨乃
エイミー(ブルーム) 柴木まひる
アーチー(フラワー) 安部小晴
フリオ(バット) 長瀬瑛愛
ロベルタ(マウス) 佐藤茉莉亜
ジキー(モンスター) 新井順華
猫(サック) 貴志美南

メアリー 磯崎香苗
スーザン 大橋舞子
ナンシー 笠井真綾
メグ 中山由梨
マイク 久保悠

ナタリー 南雲凜
マギー 東優奈
ディアナ 近藤アイリス

フリオのママ 山崎義也
ルイのママ(声のみ) 清水絢子

このほか、子どもたちがアンサンブルで出演する。


この「キャプテン・ルイ」という作品は、ファンタジーはファンタジーなのだけれど、たとえば異界へタイムスリップするとか、魔法で何かが起きるとか、そういう仕掛けではなくて、要するにルイという少年の心象風景がえがかれているのだよね。だから、文学的な感じがする。

引っ越し先にまだなじめなくてさびしい少年が、赤い飛行機に乗って、もとの仲間たちに会いに行く。そこでの出来事(それはルイの夢、というか空想なのだけれど)が、いわば仲間との別れと新しい町での出発のための通過儀礼になっている。

「キャプテン・ルイ」という作品が上手いのは、ハロウィンの日だからこそ成立するお話としてつくられているということだ。私などは、ハロウィンにはなじみのない世代の人間だが、なるほど、ハロウィンというのはこういうものか、と思わせる。

舞台の上の道具を集めて、ひとつの赤い飛行機が出来上がる場面は、むかしよく見た「キャッツ」の、あの有名なシーンを想起させる。

佳作だけれどミュージカルとしては地味にも思える作品は、粒ぞろいのキャストによって支えられていた、という印象。とはいっても、ルイ少年をはじめとするメインの7役で出演していたのは、いずれも「冒険者たち〜この海の彼方へ〜」に出演歴のあるメンバーだから、ある程度のレベルの生徒さんたちということでしょうね。

猫役の子の顔がほとんど見えないのは、残念だった。顔を隠すような扮装でなくても、猫は演じられるはずなのに。

冒頭の導入部に登場して、「キャプテン・ルイ」の本を読んでいる女の子は、ナタリー。マギー、ディアナはその友だち。「キャプテン・ルイ」のストーリーがはじまってからは、アンサンブルでも出演する。