初世松本白鸚三十三回忌追善 吉例顔見世大歌舞伎の子役


初世松本白鸚三十三回忌追善
吉例顔見世大歌舞伎

11月1日(土)〜25日(火)、歌舞伎座

に出演の子役は、


[夜の部]

義経千本桜 すし屋」

公達 六代君: 井上沙香・久保田真琴 (交互出演)

権太伜 善太: 芦沢琢斗・木澤翼 (交互出演)

なお、同じ夜の部の、歌舞伎十八番の内「勧進帳」の太刀持音若は、松本金太郎


1日の初日に、夜の部を見た。4時30分開演。まず、「御存鈴ヶ森」(菊之助権八松緑の長兵衛で)。次が、高麗屋親子三代共演で、染五郎が弁慶の「勧進帳」(幸四郎の富樫、吉右衛門義経)。そのあとに、菊五郎の権太で義経千本桜の「すし屋」(時蔵の弥助、左團次の弥左衛門、幸四郎の梶原)。

30分と、20分の幕間があって、初日の終演は、8時57分ぐらいだった。

※ただし、2日目以降は、2度目の幕間を、15分として、終演時刻を少し早めた模様。

初世白鸚の追善興行で高麗屋播磨屋に、音羽屋も加わっての贅沢な顔合わせが昼夜ともに見られるのは、顔見世というだけでなく、やはり播磨屋音羽屋が近しい親戚になったゆえだろうか。(近ごろは吉右衛門菊之助の共演も多くなっている印象)

追善に加えて、染五郎が初役で弁慶をつとめる初日とあって、普段にも増した初日らしさがそこかしこに感じられた。「勧進帳」では、まさに万雷の拍手で、演者の気迫と相俟っての高揚感も味わえた。染五郎がいかにも弁慶らしい声を遣っていたこと、そして、吉右衛門がその声、セリフでじつに義経という役そのものを表現していたのが、印象深かった。

また、今回の「勧進帳」は、演者だけでなく、後見(廣太郎)も見どころ。初日は、演者以上に汗が目立っていた。


「すし屋」は、梶原が白塗りで格好いい。

六代君が、久保田真琴ちゃんだった。心から、この日に見に来てよかったと思った(見たい子役が見られて、祝着至極)。1年前の10月も、久保田真琴ちゃんは歌舞伎座で六代君を演っていたね。「すし屋」の六代君は、セリフは少しだけれど、けっこう長く舞台にいてくれるので、見る側にはうれしい役どころのひとつである。

余談だが、来月の久保田真琴ちゃんも楽しみだ。