明日の子供たち


有川浩「明日の子供たち」(幻冬舎、1600円+税)

http://www.gentosha.co.jp/book/b8004.html

本の帯には、『幻冬舎創立20周年記念特別書き下ろし作品』とある。

児童養護施設をえがいた小説。

もちろん小説なのだけれど、本の終わりに、

『取材協力 社会福祉法人 神戸婦人同情会 子供の家』
『本文に登場する手紙の文面協力 笹谷実咲さん』

とあることからすると、じっさいに児童養護施設の子から手紙をもらった著者が、それをきっかけに施設や当事者の子どもたちを取材して書いた、というようないきさつなのかと推測させる作品。『本文に登場する手紙』に書かれている要望を請けて、それに応えて書いたものなのでしょう。

上記の取材協力施設や個人の方の名前を検索すると、小説のなかの「サロン・ド・日だまり」のモデルも「サロン・ド・ソワレ」だと分かりますね。

途中で、これは自衛隊のPR小説なのか?!と思ってしまう個所もあるのだが、それもまた、じっさいにあった話をもとにしたエピソードとうけとめて読めばいいのかな。