Live!中学生演劇シリーズ 舞台「ふるさと」

Live!中学生演劇シリーズ
舞台「ふるさと」
〜本番前リハーサルの流れからキャストインタビューまで〜

作・演出:斉藤俊雄
出演:埼玉県久喜市立久喜中学校演劇部

「ふるさと」本番公演(60分)
本番前練習(15分)
生徒インタビュー(4分)
先生インタビュー(5分)

他に、「ふるさと」台本PDFデータ

ジャパンライム株式会社、5250円。

http://www.japanlaim.co.jp/fs/jplm/gr1088/gd3957


PR動画




このDVDを買ったのだけれど、すばらしくいいな、これ。おもしろい。2012年の舞台のようだ。


まず、無伴奏の「故郷(ふるさと)」の生うた(コーラス)だけで、他には音楽も効果音もないというのが、いい。そのコーラスが舞台の幕開きと掉尾を飾るだけでなく、場面転換のときにも、コーラス(ハミング)が効果的に使われてアクセントになっているし、登場人物の独白の効果を高めてもいる。その独白によってシーン(回想)が連環して行く構成も、いい。

この芝居は「いじめ」を扱っていて、かなりシリアスな内容なのだが、見ているのがしんどくなるギリギリのところでとどまっているのは、回想形式にしてあることや、主人公の性格設定にもよるのかな。役の年齢を、演じる中学生よりも低くしているが、えがかれている芝居の内容は小学5年生らしくはなくて、演じる中学生の年齢に合わせたものだ。

主人公のふるさと(古川里美)が「心のなかの観客」を持ち出すことによって、客観的な視点を持つことの意味だけでなく、舞台を見ているじっさいの観客は当事者意識を呼び起こさせられるだろう。客席に向かって呼びかけたり問いかける芝居はよくあるけれど、私は好きではない。それよりも、この「ふるさと」での「心のなかの観客」のほうが、格段にシャレていて劇的効果があると思った。いや、それ以上に、いかにも演劇らしい味がある。

また、ばあちゃんに聞かせるといって、古川里美が自分やクラスメイトの立場を仮託した物語をつくるところは、文学のかおりがある。(それはともかく・・・ゼニガタアザラシを検索したくなるね)


他に、「ふるさと」関連のDVDでは、

斉藤俊雄の『私の脚本のつくりかた教えます』
〜演出の可能性を引き出す!学校演劇のための脚本づくり〜(全3枚セット)
http://www.japanlaim.co.jp/fs/jplm/gr1087/gd3953

というのもある。また、それ以前に出たDVDとしては、下記のものが。

感情に台詞を乗せる!即興を活かした演劇指導術〜久喜中演劇部・斉藤俊雄先生の取り組み〜
http://www.japanlaim.co.jp/fs/jplm/gd3356


斉藤俊雄氏は、現在は、別の中学校に転任して教えているようですね。

氏のホームページ(幻の森)
http://homepage2.nifty.com/oo-ruri/