「斬」「非運の果て」「ジェローム・ロビンスが死んだ」


文庫発売情報によれば、

12月発売の文春文庫の新刊として、


滝口康彦「非運の果て」

綱淵謙錠「斬」<新装版>


の2冊が刊行予定。

綱淵謙錠も、滝口康彦も、短編時代小説で定評のあった作家だけれど、近年は文庫も重版されぬまま絶版状態で、電子書籍をダウンロードして読むしかなかった。

それがここに来ての再刊は、やはり、映画「一命」の原作になったことで、滝口康彦作品が改めて注目されたものか。もしくは、6月に、「一命」のタイトルで刊行した滝口康彦の小説集が意外によく売れたかして(?)、滝口康彦の第二弾&綱淵謙錠の再刊へと到ったのか。

綱淵謙錠は、漢字一字題の作品を多く書いたことで有名だが、私はこれまでほとんど読んだことがない作家なので、文春文庫での再刊はとても楽しみ。




文庫の新刊といえば、今月は、

津野海太郎「ジェローム・ロビンスが死んだ」(690円税込)
http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094086607

が、小学館文庫に入ったので、これを買って、手もとにあるハードカバーは手放そうかと思っている(主に収納スペースの問題)。この文庫版は、平凡社から出たときとは、副題を替えている。いわゆる人物伝をはるかに超えて、スリリングで読ませる本である。