「コルチャック先生と子どもたち」さいたま公演

9月18日(日)に、大宮ソニックシティ 小ホールで

劇団ひまわり創立60周年公演
「コルチャック先生と子どもたち」
(脚本:いずみ凜、音楽:加藤登紀子、演出:山下晃彦)

を観劇。

午前11時開演。一部ダブルキャストの配役は「A」のほう。

会場掲示の上演時間は、2時間40分(途中休憩10分を含む)とあったが、終演が1時55分頃だったから、じっさいは、3時間弱といったところ。

公演プログラムは、無料配付。観劇回の客席は、ざっと半分程は入っていたか。

このホールは何度か来ているが、座席の何列から段差が付くのかを把握していなくて(8列から段差が付く)、座席選びには失敗。前方の席だったが勾配がなく、かえって舞台が見づらかったものの、上手端の視界がさえぎられるくらいで済んだのは、幸い。


劇団ひまわりがレパートリーとして、過去に何度も上演している「コルチャック先生」の舞台劇だが、私は、はじめて見た。

一部、音楽劇仕立てである。偉人伝のような作品かと思っていたら、ずい分とちがう印象。劇団ひまわりの公演をいくつか見たことがあれば、子役の使い方など、ひまわりらしい舞台だという印象も抱くだろう。

コルチャック先生は飾らずぶれない人物としてえがかれるが、聖(ひじり)のようなたたずまいで、生々しい感情の表出には抑制的だ。むしろ、コルチャックと関わる大人たちの、それぞれの立場や苦悩、あるいは俗物ぶりといったものが、コルチャックとの対比、対照によって浮き彫りになるというつくり。

ただ、かつてはスター俳優を主役に迎えて上演してもいるし、コルチャック先生を演じる俳優の資質によっては、もう少しちがう趣きになりそうとも思った。

コルチャック先生や子どもたちのエピソードが積み重ねられて進むストーリーは、その行き着く先を知っている私たちには、死へ向かう時を刻むかのようである。


子役では主役級のフリーダが、とてもいい。小林柚葉ちゃんという子は、うたもお芝居も上手いし、子役のなかではいちばんいい役を務めるだけのルックスと、見る者の気持ちを惹き込む魅力があった。もしかしたら、この子をこの役で起用したことが、今回公演のいちばんの成果といえるのかも知れない。

フリーダって、第1幕での客席下手側通路のシーンで、うさぎのぬいぐるみを持ってた。かわいいね。