MITSUKO〜愛は国境を越えて〜 (青山劇場)


クーデンホーフ・ミツコ没後70年記念
musical「MITSUKO〜愛は国境を越えて〜」
(脚本・作詞・演出:小池修一郎、音楽:フランク・ワイルドホーン)


6月19日(日)に、青山劇場公演を観劇。

午後1時30分開演。

ロビー掲示のタイムテーブルは、『1幕 1時間25分、休憩 20分、2幕 1時間20分』

公演プログラム、1500円。奥付には5月15日発行とあり、梅田芸術劇場メインホール、中日劇場、青山劇場の3会場共通のようだが、いま売られているのは、途中から切り替わった舞台写真掲載版であるらしい。


出演者は、過去ログのとおり。
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20110411/p1

子役の出演は、1幕とカーテンコール(夜公演のカーテンコールについては観劇予定がないので不詳)。


子役の配役は、下記のような変則ダブルキャストになっているが、1幕の「文明開化」のシーンに4人出演するので、ワンステージで4人とも見られる。


ハンス(幼年期)、(1幕の)オルガ: 吉井乃歌・小島一華
リヒャルト(幼年期)、(1幕の)カール: 坂口湧久・小島一華
ゲロルフ(幼年期)、(1幕の)イーダ: 関萌乃・小島一華


なお、公式ツイッターによれば、
http://twitpic.com/5680i8
「文明開化」の子役には次のような役名が付けられているとか。

おいち(一華)、わくじら(湧久)、おもえ(萌乃)、おのの(乃歌)

「文明開化」では、表記↑の前のふたりがアイスクリームで、後のふたりがミルク。


観劇回(6/19)の配役は、

ハンス(幼年期)、(1幕の)オルガ: 吉井乃歌
リヒャルト(幼年期)、(1幕の)カール: 坂口湧久
ゲロルフ(幼年期)、(1幕の)イーダ: 小島一華


プログラム掲載のプロフィールでは、吉井乃歌さんと関萌乃さんは、どちらも東宝ジュニアで小学3年生。

劇場ロビーに、その回の子役の配役が掲示されている。

なお、光子の子どもは、ハンス、リヒャルト、ゲロルフ、エリーザベト、オルガ、イーダ、カールの順。

子役の衣裳のセーラー服(上衣)は、長袖で白とネイビーの2タイプあって、白と紺の配色がちょうど逆になっている。

リヒャルトとカールはどちらも男子なので、この役だとスカートの衣裳は、ない。(リヒャルトとカールだと、かつらも同じなのかな?)


クーデンホーフ光子の波瀾に満ちた前半生を、テンポよくダイナミックに見せる第1幕が、ミュージカルらしい面白さに富んでいて、楽しめる。
明治という時代に、商家(骨董屋)の娘である青山光子(安蘭けい)は、代理公使として日本に赴いたハインリッヒ(マテ・カマラス)に見初められて国際結婚し、オーストリア貴族の夫人となる。その後、夫の帰国に随伴して日本を離れ、彼の領地へ。伯爵夫人として異文化のなかで暮らしながら、7人の子の母となるが、ハインリッヒが急逝。親族たちの強硬な反対を裁判を経て退け、伯爵家を相続し、子どもたちの教育のためにウィーンへ移住するまで。
マテ・カマラスの存在感が第1幕を魅力的なものにしている。子役の出演シーンのホームドラマ的味わいも効いているし、異国の地で夫を亡くした日本人女性の孤独な戦いもドラマティックだ。


それが、2幕になると、一転、次男のリヒャルト(ジュリアン)が舞台の中心になり、主役のはずの光子は後退してしまう。2幕も光子のソロナンバー(うたいどころ)はいくつかあるものの、むしろ、パン・ヨーロッパを提唱したリヒャルトを通して「時代」の動きをえがくことが主眼のような展開。
そもそも、このミュージカルは、1幕の冒頭から、壮年期のリヒャルト(増沢望)が登場して、語り手として母のことを回想するかたちで進行し、終盤に到ると、語り手自身もストーリーのなかに入って行くという構成なのだが、いかんせん、2幕では、光子の晩年の扱いが息子の視点からの説明調にも思えるし、もう少し何かエピソードがなかったものだろうか…

1幕はタイトルどおりに「MITSUKO」だが、2幕は「リヒャルトとその母」といった感じである。


このミュージカルを見ると、クーデンホーフ光子について、もう少し知りたくなる。松本清張の「暗い血の旋舞」という小説は面白いだろうか…。


ロビーでは、限定予約販売 ハイライトライブ盤CDの予約受付をしていた。値段は、3500円+送料500円。商品の発送は、9月中旬予定とのこと。(次の観劇までに、買うかどうか考えよう)

また、翌日以降のチケットをリピーター割引価格(S席12000円→9000円)で販売していた。

ちなみに、この日の私のチケットは「S席12000円→6000円」の半額のもので、座席は、1階席の後方だった。


後日、文章の手直しと若干の加筆をしました。