1Q84 BOOK3


村上春樹1Q84」BOOK3(新潮社、1900円税別)


発売日の4月16日には、大きな書店には山ほど入荷していて、到底売り切れるとは思えない光景を目にしたが、その2日後には、「売り切れ」表示の出ている書店がいくつもあって、びっくり。あるところにはまだまだたくさん積んであっても、立地がいい割りに小ぶりな書店ではすぐになくなったということか…


探偵役の牛河が青豆を見つけ出すのが先か、天吾と青豆がついに出会うのが先か、というサスペンス的な面白さで読ませるけれど、結局、それだけになっちゃったような印象の「BOOK3」。

それより何より、この「BOOK3」を読むと、とにかくNHKに腹が立つ。NHKに対して、我慢がならないほどの怒りをおぼえた。これほどNHKのイメージを悪化させる小説というのも、なかなかないと思う。

1Q84」を読んでも、たとえばヤマギシ会やエホバの証人について、改めて悪感情を抱くということはないが、NHKについては、とくに「BOOK3」を読むと許しがたい感情を抑え切れなくなる。

そういう意味で、これは、非常に特異な性質を持つ小説といえる。