菊田一夫戯曲選集1


いま、ちょうど手もとに

菊田一夫戯曲選集1」

がある。

昭和40年に、演劇出版社から刊行された全3巻の戯曲選集で、この「1」に「放浪記」が収録されている。

すでに中止が発表されたが、今回のシアタークリエ公演が「放浪記」を見る最後になるだろうと思い、この本を借りて来て、菊田一夫のもともとの戯曲と、三木のり平潤色の現行の舞台とを付き合わせながら、5、6月の観劇に臨む前に、現行の上演台本を(2005年3月公演のビデオから)起こしつつ、菊田一夫作「放浪記」という作品のお勉強をしておくつもりだった。

「放浪記」の公演がとりやめとなった以上、菊田の元戯曲をどう現行台本にしたのかを精査しようという意欲は減退してしまったが、このもともとの戯曲は、一読しただけでも、とても興味深く、おもしろい。

もっと早くに、この戯曲に目を通しておけばよかったと、後悔しきりなのである。