新橋演舞場 初春花形歌舞伎 昼の部&舞台写真


1月27日(火)は、

新橋演舞場 初春花形歌舞伎から昼の部を観劇。1月、東京の歌舞伎公演は、この日が揃って千穐楽

新橋演舞場 初春花形歌舞伎 昼の部は、11時開演。

1月新橋演舞場に出演の子役は、すでに書いたとおり。
 →http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090103/p4


入場すると、さっそく、舞台写真を見に行く。もはや、芝居を見るより舞台写真が買いたいだけな状態に陥っている。

渡邉ひかるちゃんの六代君が写っている写真(笑也丈の若葉の内侍)を、ふたっつ購入。

高橋飛和くんの善太郎が海老さまの権太といっしょの写真がひとつあったので、それも買う。

・・・いやぁ、満足まんぞく。


余談だが、発売中の「かぶき手帖 2009年版」。亀治郎丈のページの女武道の写真は、秋山悠介くんの弥三松ですね。


さて、新橋演舞場 初春花形歌舞伎。

まず、猿翁十種の内「二人三番叟」。
右近、猿弥の三番叟、笑也の千歳、弘太郎の附千歳、段治郎の翁。この手の舞踊は、普段はパスしてしまうのだが、今回は見た。翁が舞台上で面の付け外しや面箱への出し入れをするあたりは能のそれらしさがあり、附千歳という役がもうけられていて部屋子が演じていたのは歌舞伎らしい。
ふたりの三番叟による舞踊が、存外にエンターテインメントな趣きだったのが、発見。


このあと、休憩にはならずに、しばらく間をとってセットを替えて、

「寿初春 口上」

市川海老蔵が見せる「仕初め」として、「巻」に書かれた、今月昼・夜公演の演目が読み上げられ、つづいて「にらみ」。先祖の衣鉢を力ぐさに、形(かた)ばかりではござりまするが・・・というのを、久し振りに聴いた。にらみの御利益(?)以上に、この前口上が聴いていて心地いい。


義経千本桜 木の実〜すし屋」
を見るのは、中村勘三郎襲名の巡業以来。
主馬小金吾は、(愛之助七之助に次いで)この段治郎でやっと3人目だ。今回の「小金吾討死」を見ていて、そういえばと、巡業で見た七之助は二役だったためか、「小金吾討死」では最期が吹き替えに替わったことを思い出した。


さて、「木の実〜すし屋」。この日の子役は、六代君(渡邉ひかる)、善太郎(高橋飛和)で、ロビーで販売されていた舞台写真と同じ子。渡邉ひかるちゃんが見られて、重畳。

高橋飛和くんは、正面から見た顔と、横顔とでは、ちょっと印象が変わる。

「小金吾討死」では、きんご、いのー、のあと、若葉の内侍(笑也)と六代君が花道にかかったところで、六代が、本舞台に倒れている小金吾のほうへ戻ろうとするのを母にとどめられる。花道を引っ込みながらも、小金吾を気にするこなしがあって、六代君の子役はここが見どころのひとつ。

小金吾討死の場は、定式幕が引かれた後ろで、弥左衛門(左團次)が小金吾の首を打ち落とすのを音(声)や気配だけで客席に伝える。その演出の効果を改めて思った。

「木の実」での権太(海老蔵)は、小金吾を相手の押し引きなどで見せる凄味が、リアルでこわいくらい。

ただ、全体に「すし屋」を含めて長く感じた。どこがとなると具体的にいえないのがもどかしいが、筋書の上演記録の時間だけを単純に見ても、もっと短い「木の実〜すし屋」がある。長過ぎないほうが、海老さまの芸風らしい気もするが、どうだろうか?(ロビー表示の時間は、木の実と小金吾討死で1時間、すし屋が1時間40分となっていた)

座席は、花道の子役が見やすいようにと、花道が見渡せる二等の右側を買っていたので、「すし屋」での弥助実は維盛(門之助)の出や、梶原平三(獅童)もよく見えた。笑三郎の小せん、春猿のお里、おくらは右之助と、バランスのいい配役。


昼の部の最後は、「お祭り」。鳶頭(海老蔵獅童、右近、猿弥、段治郎)、芸者(門之助、笑也、笑三郎春猿)で、揃い踏みといったところ。


歌舞伎見物のあとは、蕎麦屋でひと休みして、東京オペラシティコンサートホールへ。