歌に恋して 評伝 岩谷時子物語


田家秀樹「歌に恋して 評伝 岩谷時子物語」(ランダムハウス講談社、1700円税別)
http://www.randomhouse-kodansha.co.jp/books/details.php?id=687


サブタイトルが「評伝 岩谷時子物語」なので、評伝という部分に期待してしまうが、人物に迫ったというよりも、作詞家・岩谷時子の「仕事」(ヒット曲)を概観したといった内容。著者の専門が音楽評論やその周辺だからだろう、ミュージカルの仕事については、多くは書かれておらず、「レ・ミゼラブル」のエピソードや故・本田美奈子さんとの交流に関してがほとんどといっていい。

私は高校生の頃に、加山雄三のうたにかぶれた時期があったので、「若大将」との仕事のことを書いた章は、面白く読んだ。

岩谷時子さんは、1916年3月28日生まれ。同書の「エピローグ」には、こうある。
『彼女は、今、都心のホテルに長期滞在している。高齢のため、頻繁に出歩くことも少なくなり、少数の関係者が取材など仕事に関しての窓口となっている。』