まほろば(新国立劇場小劇場) 初日


7月14日(月)に、新国立劇場小劇場で、
小劇場3作品連続公演
シリーズ・同時代Vol.3

まほろば」(作:蓬莱竜太、演出:栗山民也)

を観劇。

この日、初日。午後7時開演。

上演時間は、1時間45分。途中休憩なし。

公演プログラム、800円。台本、400円。

座席は、B1列が最前列。B2列、B3列とあって、その後ろが通路になり、通路を挟んでC1列以降、となる。


出演は、

ミドリ(藤木家の長女) 秋山菜津子
キョウコ(ミドリの妹) 魏涼子
ユリア(キョウコの娘) 前田亜季
ヒロコ(ミドリの母) 三田和代
タマエ(ヒロコの姑) 中村たつ
マオ(近所の子供) 黒沢ともよ   


夏祭りの日の、田舎町の旧家の居間を舞台にした芝居。その一家の女たち四代5人と、そのうちのひとりが付き合っている男の子どもだという11歳の少女、この6人の女たちによるセリフ劇だ。

妊娠した、しない、子どもを産む、産まないという話。上がったのかと思っていたら、じつは出来ちゃっていて・・・最後は、はじまっちゃって終わる芝居、である。女たちの会話のなかに現れる、舞台には登場しない「男」たちが、舞台の世界に幅を持たせている。

プログラムの大笹吉雄氏の文章によれば、この芝居は長崎言葉で書かれていて、二場でのタマエのセリフ(販売されている台本では、52ページ)と関係しているらしいが(つまり、被爆地に近い土地ということであろう)、このあたりのことは劇中ではぼかされている。

他にも深読みは可能だろうが、少なくとも、私には、とある旧家の夏の一日の断片として、登場人物の会話を聴き、舞台を見ているだけで充分楽しめた。男たちの祭りの日に、女たちが産むことについて語る。そのあたり、ひとの営みの原始性を思わせて面白い。


黒沢ともよちゃんが演じるマオは、キョウコの男友だちの娘で11歳。マオは、ひとりだけ藤木家の女ではないのだが、この「まほろば」はマオではじまり、そしてマオで終わることでテーマをあざやかに印象付けている。

黄色のタンクトップにジーンズの短パンで、素足。トッポを食べる。さて、黒沢ともよちゃんは何回鼻をかんだか…

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[追記] 7月21日分の雑感は、↓に。
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20080722/p1