ミュージカル 南十字星 初日


7月13日(日)に、四季劇場[秋]で、ミュージカル「南十字星」を観劇。

この日、初日。午後1時開演。

「ミュージカル南十字星」は、東京では再々演となる。


初演と、東京再演では、子ども(生徒)たち3役(アミナ、ティエン、ミンチェ)をヤングナラ卒業生が演じたが、

 ※下記参照のこと。 
 http://hatsuse.at.infoseek.co.jp/minami.html
 http://hatsuse.at.infoseek.co.jp/minami-2.html

その後の、京都公演、名古屋公演では子役は起用されず、今回の東京再々演(2008年7月13日〜8月3日)でも、子役はキャスティングされていない。

子役の起用がないだろうことは予想していたが、それでも、2006年の、京都、名古屋公演(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20060402/1143950411)と同じ配役のアミナ、ティエン、ミンチェが見られるかも、との期待があってチケットを買っていた。が、「美女と野獣」とも重なってか、アミナが佐伯真由子さんだった他は、ティエンとミンチェには、2006年公演とはちがうひとが配されていた。

初日のキャストボードとキャスト表は、アンサンブルは役順になっておらず、ティエンとミンチェは誰れが演じていたか見取りに自信がないので、これは、明日(14日)になって、劇団四季公式サイトに前日公演の出演者情報が出てから、追記や補記したいと思う。

 [追記1] 子どもたちは、『アミナ:佐伯真由子 ティエン:金慈英 ミンチェ:牧野友紀』
 [追記2] 補記として少しの憶え書き。→
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20080715/p1


公演プログラム(昭和の歴史三部作共通)、会員料金で1500円。キャストブック(南十字星)、100円。


南十字星」については、初演の千秋楽および東京再演で観劇を重ねる都度、鈴木優美ちゃんかわいい!だけでなくあれこれと書いたけれど、今回は、また少しちがう感慨もあった。


たとえば、舞台の終盤、日本の敗戦後、ニングラット博士がルアットに、日本が南進せず、かつてのように北へ向かっていたら、オランダのインドネシア支配はもっと長く続いただろうといって、息子をたしなめるシーンがある。つい先月、新国立劇場 中劇場で見た「オットーと呼ばれる日本人」は、近衛首相のブレーンとして日本を南進に導き、その情報を流したスパイの話だった。

「放浪記」の林芙美子は、太平洋戦争中、陸軍報道部の徴用で南方へ行き、シンガポールジャカルタに滞在したという。そのあたりのことを、太田治子「石の花」(筑摩書房)で読んでいたので、舞台の上の景色が、再演時の観劇とはまたちがって感じられた。

インドネシア独立のための義勇軍に身を投じる原田大尉の生き方や、保科勲とリナ・ニングラットの悲恋は、スマトラ終戦を迎えた中村雀右衛門の著書「私事」に書かれている、義勇兵になったり、現地人女性といっしょになった日本兵がいたという証言とも重なって見える。


そういえば、行き倒れになった「おしん」を助けて、読み書きや計算を教えてくれる俊作は、脱走兵だが、もとは陸軍中尉だったというから、原田大尉と保科少尉の間の階級だ。・・・というのは、「南十字星」の鑑賞にはとくに関係ないが。


カーテンコールでは、主役の阿久津陽一郎さんから、劇団四季は明日(7月14日)創立55周年を迎える…云々といった内容の挨拶があって、終了が3時45分頃。

リピーターが少なかったのか、招待客が多かったからか、初日にしては客席は大人しく、最後も幕が下り切るまで拍手が起こらない、割りと静かな初日だった。カーテンコールもあとを引かずに、予定通りに終わった印象。